歯科用語辞典

「し」行の歯科用語

舌苔

舌苔とは、舌の表面にある白、褐色、黒色上の糸状乳頭と呼ばれる組織の事で。健康状態によって色や形状に変化が現れる。 上皮細胞やリンパ球などから成り、細菌を分解すると悪臭が発生、口臭の原因ともなる。 舌苔は疲れが溜まっていると白っぽくなり、抗生物質を長期間服用する事により黒っぽくなる。慢性胃炎や消化不良の場合は黄色っぽくなり、栄養状態が悪いと舌苔が全く見られない。

舌痛症

舌痛症とは、舌に痛みを感じている状態の事舌炎や、舌ガンなどとは違い舌炎などの病気以外の舌が痛む病気である。 舌痛症は、見た目には何の変化も見らず、異常のない舌に見え、舌の先端がヒリヒリとした痛みを感じるのが特徴。

舌とは、口腔内にある筋肉でできた突起物の事。 味覚や触覚を持つ感覚器。 会話をしたり、食べ物を噛んだり、飲みこむ際に必要不可欠な器官。 舌は口臭と深く関係していますので、身体の健康状態を知るパロメーターと言われています。

舌炎

舌炎とは、舌の粘膜にできる炎症の総称で舌の病気の一種。 症状は舌に赤い腫れや発疹、痛みなど、口内炎の一部のものが舌の表面で赤く腫れる状態の舌炎をカタル性舌炎と呼び。 他、潰瘍性舌炎、アフタ性舌炎などがある。 舌炎の治療法は、原因が明確なものに対しみあった治療を行いますが、原因不明の場合は口内炎治療同等に治療を受ける事になる。

舌小帯

舌小帯とは、舌の裏側にある下顎と舌をつなぐヒダ上の組織の事。 舌の動きを調節する等の役割を持つ。舌小帯が生まれつき短く、小さすぎたりして舌の機能を制御している状態の事を舌小帯短縮症、舌癒着症と呼ぶ。舌小帯である場合は、舌を前に伸ばそうとすると舌の真ん中がくびれるようになるのでそのくびれの度合いで症度がある程度判断される。 治療法は、自然に改善する事が望めない為、手術により治療が行われる。

シェード

シェードとは歯の色の明るさや色調の事をいう。 ホワイトニングを行う際にシェードガイドを見て明度を決める。 黄色や茶色の色素は白くなりやすいですが、グレーに近い歯だと白くなりにくい。

歯科衛生士

歯科衛生士とは、歯科医師のサポートを全般的に行い、歯科診療補助、歯科予防処置、歯科保険指導などを主な業務としています。 歯科衛生士と歯科助手の大きな違いとは、歯科衛生士は歯の専門的な知識を持っているため医師のサポートはもちろん、歯に使う薬品の知識も得ているため取り扱うこともでき、患者の口の中に触れることもでき、歯石や歯垢の除去を行う事も法律上認められています。

歯冠形態修正

歯冠形態修正とは、歯の一部がその形によって外傷を起こす場合や、歯のエナメル質の部分を削り形を整える事をいう。 しかし削ってしまった歯は元の形態に戻すことが困難であるため、医師との相談の上で検査。

歯間乳頭

歯間乳頭(乳頭歯肉)とは、歯と歯の間にある歯肉の事をいう。 歯間乳頭は弱い上に腫れやすく、歯垢が溜まる場所であるので失われやすい部分。 歯の間に三角形の隙間ができ、ブラックトライアングルと呼ぶ。

歯間ブラシ

歯間ブラシとは、歯と歯の隙間に付着している歯垢を落とすために使われる器具の事。 虫歯や歯周病予防のために使われる。

歯牙

歯牙とは、歯学でいう歯のこと。

歯牙破折

歯牙破折とは、外傷や転倒、殴打などの外力的な作用によって歯とその周辺歯周組織に起こった損傷の事。外力により歯の表面や根元が欠けたり、折れたりしている歯をいう。

歯牙漂白

歯牙漂白とは歯を白くする事。ホワイトニングやブリーチングとも言われます。 歯を削る事はしません。

歯垢

歯垢(プラーク)とは、黄白くネバネバした状態のもの。歯の表面に付着しやい。歯垢中の細菌は口の中に入れた食べ物をエサにして増え、歯間など磨きにくい場所にも入り、歯石となって重なり硬さを増して行きます

歯根

歯根とは、歯茎に埋まっている歯の部分の事。 歯の下部の歯槽骨の中に入っており、構造は歯根の表面からセメント状、象牙質、根管となる。

歯根吸収

歯根吸収とは、矯正治療により、歯の根元が溶けてしまう事をいう。 治療時必要以上に歯に負担をかけたり、歯をずらす位置が大きかったり、歯の状態が悪く治療期間が長いと歯根吸収が起きてしまう。

歯根のう胞

歯根のう胞とは、根尖性歯周組織疾患の一種であり、虫歯が進行し歯の神経を腐らせ、歯の根の部分に膿みの袋ができ炎症を引き起こす病気の事。 症状とし一時的に痛みを伴いますが、放っておくと痛みが引き、噛んだときに違和感を感じたりするが、さほど気にならない場合もある為、放置される方が多い。

歯根膜

歯根膜とは、歯槽骨とセメント質との間にある強力な密線維性結合組織です。コラーゲンを主成分とし、クッションのような役割をする組織。

歯根膜炎

歯根膜炎とは、歯髄炎が進行し歯根から歯根膜に炎症が広がった状態の事。 歯根膜炎の原因は、細菌感染から起こり、症状は持続的な痛みと歯が浮く感覚、ものが噛めないほどの痛み、歯茎の腫れ。

歯式

歯式とは、歯科診療やカルテなどに用いる歯を表記する記号や呼称の事。 永久歯の場合、親知らずを含め8本の歯があるので1~8番という。 正中に近い歯より1番、2番と呼び、奥にいくにしたがい数字が増える。乳歯ではAからEまでのアルファベットを用いている。

歯質

歯質とは、歯を構成する成分の事をいい、エナメル質、象牙質、セメント質の事。

歯周炎

歯周炎とは歯周組織がプラークにより破壊される疾患。 初期は歯肉のみに起こる炎症から始まり、徐々に歯周組織全体へとすすむ。

歯周組織

歯周組織とは、歯を支える周囲組織の総称で、 歯肉、歯根膜、硬組織はセメント質、歯槽骨がある。

歯周病

歯周病とは、歯を支える周囲の歯槽骨が減ることにより、歯周の周りの炎症と相まって歯にダメージを与える疾患。 放置してしまうと歯が脱落します。 原因は汚れで、歯茎から出血、歯がゆれる等

歯周ポケット

歯周ポケットとは歯と歯茎の境目となる溝の事。 この部分に汚れがたまる事により歯周病を発症する原因となる。 さらに、汚れがたまった部分は細菌により歯槽骨がとかされ歯周ポケットは深くなる。汚れを取り去り、炎症を抑え歯槽骨の破壊を防止。 日々のブラッシングが大切になります。

歯周ポケット掻爬

歯周ポケット掻爬とは、比較的軽めの歯周病に対する手術。 麻酔をかけ、歯石や血膿みを器具で掻き出し歯肉を取り除くため、肉眼での確認が難しく、難易度は高いと言われる。

歯髄

歯髄とは歯の内部に存在する組織で、歯の神経の事をいう。 機能は歯の感覚を司る、口腔上皮の文化、エナメル器形成の誘導、象牙質の生産、象牙質を養う等。

歯髄炎

歯髄炎とは歯髄に起こる疾患の一つ。歯髄に刺激が加わり発生する炎症。 原因は物理的、生物的、神経的なものと様々考えられる。 二つに分けて急性歯髄炎、慢性歯髄炎があり、急性歯髄炎は炎症が歯冠部歯髄に限局している炎症の事。 慢性歯髄炎は虫歯の進行から歯髄が露髄するなどの場合に起こる。

歯石

歯石とは口腔内の付着物が石灰化し、除去する事難しいとされる沈着物。 呼び方は二つにわけられ、歯肉緑上歯石は上の歯石、歯肉緑下歯石は下部の歯石をいいます。

失活歯

失活歯 (無髄歯)とは、神経が失った歯の事をいう。失活歯は栄養が取れなくなり、変色し、輝きを失う。

歯槽骨

歯槽骨(歯槽突起)とは顎骨と歯牙を結合している骨の事。 固有歯槽骨と支持歯槽骨に分けられ、解剖学的には独立した骨体ではありません。

歯槽膿漏

歯槽膿漏とは、歯を支えている骨が減少し歯茎からの出血、歯茎の腫れ、口臭や歯のグラつき、食べ物を噛む時の痛みなどを伴う疾患。 歯周病の代表格とされている。

試適

試適とは、作成した入れ歯、義歯などが合い、きちんと噛み合わせを確認し借り付けを行うなどの診査。 試適には2種類あり、ワックス試適とセラミック試適がある。ワックス試適はロウを使用し、歯の色、形等の最終確認を行う。 セラミック試適はかみ合わせを含めた最終確認をし、支障がなければ歯のツヤ焼きを行う。

歯肉

歯肉とは、口腔粘膜の一部にあたり、歯周組織の1つの部位。 健康な歯肉はピンク色をし歯面にしっかりとくっついています。 種類は歯肉の大部分を占め、セメント質や歯槽骨に結合する付着歯肉、歯と歯の間の歯間乳頭、歯肉溝を形成する遊離歯肉がある。

歯肉圧排

歯肉圧排とは、差し歯を作る際、差し歯が歯肉から自然に生えているよう見せられる様に、一時的に歯肉を広げて歯の辺縁部を精密に型取り出来るようにする作業です。 主に歯と歯肉の間に細い糸を入れて型取りを行う。 手間のかかる処置のため、一般的には行われていません。

歯肉炎

歯肉炎とは、歯周病の中でも最も一般的な疾患の1つとされ、歯肉が赤く腫れる事により出血しやすくなる。 初期は固いものを噛む事により歯茎から血が出る等の症状が見られ、それほど痛みは伴いません。治療をせずに放置してしまうと歯肉炎は悪化し、深刻な歯周病を併発し歯が脱落する恐れがあります。

歯肉ガン

歯肉ガンとは、歯肉部分にできる腫瘍の事。口腔内にできるガンとしては、舌ガンに次いで多い。発症する部位は下顎が最も多く、臼歯の部分にできる事が多い。

歯肉切除術

歯肉切除術とは、歯周病や歯肉増殖症などで増殖してしまった歯肉や歯周ポケットの除去を行う治療の事。歯肉をメスで切り取る歯周外科治療になる。 歯肉切除術を行った後、歯肉を綺麗に整える為、歯肉形成術を行う事が大半。 歯肉切除術を行うと、歯根が露出して知覚過敏や根面カリエスなどの可能性がある。

歯肉増殖症

歯肉増殖症とは、3つ(炎症性歯肉増殖症、薬物性歯肉増殖症、特発性歯肉増殖症)に分けられる病気で、歯肉が増殖している状態の事を言います。 炎症性歯肉増殖症は、歯周炎や歯肉炎が原因、薬物性歯肉増殖症は坑けいれん剤の副作用の一種、歯の間の歯肉が徐々に大きくなり増殖。 特発性歯肉増殖症は、原因が不明であるが、遺伝や分泌液の異常と考えられている。 共通した症状は、痛みはないが歯肉が硬く腫れ、ひどい時には歯が隠れる。

歯肉膿瘍

歯肉膿瘍とは、細菌が歯肉に感染し、それが原因で化膿している状態の事をいう。歯周炎や歯槽膿漏の原因ともなります。 症状として、痛みを伴う歯肉の腫れで、抗生物質の投与や膿みを取り除く治療を行う。

シャープニング

シャープニングとは、歯周病治療の際に使われる、細菌物質を取り除くために扱う器具を研ぐ道具の事。 細菌物質を確実に除去させる為、スケーラーなどの刃先を鋭利にし、切れる様にします。

シュミテクト

シュミテクトとは、知覚過敏が原因で冷たいものがしみたり、痛みを伴う場合に使用する歯磨きの際に使用するもの。 知覚過敏の原因はカリウムイオンの濃度が低下しているためですので、硝酸カリウムを用いて知覚過敏の症状を抑制させる。 市販されているものもある。

笑気ガス

笑気ガスとは、少し甘い香りがするガス、笑気鎮静法に使用される亜酸化窒素の事。 無色透明で鎮静作用や弱い麻酔効果を得られ、鼻から吸入させ不安感や恐怖感などのストレス、痛みを軽減させる目的で使用。

小帯

小帯とは、唇、頬、舌の粘膜が歯肉に移行する部分にみられる筋の事。各粘膜と顎骨を結ぶヒダ。 唇だと上下唇の中心から歯肉に伸びる筋の事。上唇小帯、下唇小帯と呼ばれ。 頬だと上下左右の奥歯付近に頬小帯があり、舌だと舌を上に上げた時、舌の裏側にある筋の事を舌小帯と呼ぶ。小帯が過剰に発達したり、付着部に異常がある場合は、小帯異常と呼び。

歯列矯正

歯列矯正とは、歯並びが悪い場合、噛み合わせが悪い等により矯正する治療。 歯には力が加わるとその方向に動く性質がある為、それを利用し、ある一定の力を歯に加え続ける事で人工的に歯並びを矯正し、見た目綺麗な健康な歯に治療。 歯列矯正を行うにあたり、虫歯、歯周病の防止が主。その他、歯ぎしりやいびきの改善、肩こり、頭痛など。

審美歯科

審美歯科とは、総合的な歯科医療の事で、見た目などの美しさに重点を置いている。 一般治療では、歯の機能的な治療を主としていますが、審美歯科では形態美・色彩美・機能美の調和を目指し、インプラント治療、歯列矯正、セラミックス、ホワイトニング、特殊材質を使用した人工歯などを使い、見た目にもこだわります。また、歯肉や歯茎の美しさと、健康に注目しています。

浸麻

浸麻(浸潤麻酔法)とは、局部麻酔の一種。治療する部分に注射をし、麻酔薬を浸透させ身体への負担を軽減させる。最もポピュラーな麻酔法であり、知覚神経の末端を麻痺させる。

シーラント

シーラントとは、奥歯の噛みあわせの部分にプラスチックを埋め込み、その部分の虫歯予防する方法。 子供の乳歯や生え始めたばかりの永久歯によく使わる。

若年性歯周炎

若年性歯周炎(侵襲性歯周炎)とは、通常30歳代頃から徐々に発症する歯周炎が若いうちから発症している場合の事。 若年性歯周炎は、通常の歯周炎よりも進行速度が速く、一般的な歯周病の治療法ではなかなか改善しない病気で、スケーリングやルートプレーニングや、歯周外科治療と併せて抗菌剤や抗生物質などの薬剤治療を行う。

充填

充填とは、歯にセメントやレンジなどを詰める事。

上顎骨

上顎骨とは、顔面頭蓋を構成する皮骨性由来の骨の事。 顔面頭蓋の中で最も大きく、上顎の大部分を占めるのが上顎骨で、上顎の歯牙が釘植されている部分である。 上顎骨を含めた頭蓋骨のずれは、捻れをおこすだけでなく抜歯したり歯を削る事などでさらに頭蓋骨がずれてしまう。

上顎前突

上顎前突とは、歯並びの矯正する人の中でも多く見られる症状であり 。 日本人の上顎前突は、上顎前歯の前方傾斜が多く見られます。上顎前突の原因は、子供の頃の呼吸法や指しゃぶり、遺伝など様々で、その症状によってアングル1級、アングル2級の2つのケースに分けられます。

上顎洞

上顎洞(サイナス)とは、上顎の奥歯の上にある骨の空洞の部分の事を言い。 この空洞は頬骨の奥に存在するもので、人によって大きさや形状は様々です。

上顎洞癌

上顎洞癌とは、上顎洞に発生する扁平上皮癌の事で、症状は花粉症と似たようなものが多い病気。 鼻づまり、鼻血、疼痛などがみられ、X線検査などで発見する事ができる。